招き猫を、日本の縁起物から、世界の縁起物へ。
招き猫は、日本でもっとも数の多い縁起物のひとつです。飲食店のレジ横、商店の入口、寺社の授与所、空港の土産売り場。目にする機会は多いのに、「なぜ猫なのか」「右手と左手で何が違うのか」を説明できる人は、日本人でも多くありません。
海外での知名度は、すでに相当なものがあります。中華圏の店舗にも、欧米のアジア系レストランにも、映画やゲームの背景にも、招き猫は当たり前のように置かれています。しかし、その形が日本のどこで生まれ、何を意味しているのかを正確に伝えるものは、驚くほど少ない。
知られているのに、理解されていない。この落差を埋めることが、私たちがこのメディアを始めた理由です。
招き猫について、日本でいちばん詳しいサイトをつくること。そして、その情報を日本語と英語の両方で届けることです。
縁起物は、買われるだけでは続きません。なぜその形なのか、どこで誰が作っているのか、何を願って置かれてきたのか。背景が語られてこそ、次の世代にも、国境の外にも渡っていきます。招き猫を「かわいい日本の置物」で終わらせず、文化として記録することを、私たちの仕事だと考えています。
招き猫には、教義も公式の解釈もありません。そのため、右手と左手の意味も、色の意味も、時代とともに更新されてきました。多くの解説記事は通説をそのまま並べて終わりますが、当サイトではその通説がいつ、なぜ成立したのかまで踏み込み、根拠が薄いものは薄いと書きます。
記録上もっとも古い招き猫は、嘉永5年(1852年)の江戸に現れます。『武江年表』『藤岡屋日記』といった同時代の記録に何が書かれ、何が書かれていないのか。伝承と史料を区別して扱います。
常滑、瀬戸、九谷。同じ招き猫でも、土が違えば表情が変わります。窯元の現場で何が起きているのかは、現地でしか分かりません。取材にもとづく記事を、継続して増やしていきます。
英語版は日本語記事の翻訳ではありません。日本人には自明で、海外の読者には説明が必要なことがあります。逆もまた然りです。それぞれの読者に向けて、それぞれの記事を書いています。
招き猫タイムズは、株式会社KAZARU STUDIOが運営しています。東京・浅草で招き猫型アートトイ「CAPPIII」を製造販売し、インバウンド向け土産店「KAZARU MARKET」を運営する会社です。
つくり手であると同時に、記録する側でもある。その両方の立場から、招き猫という文化を見ています。